計算速度

コンピュータの演算速度は速い方がいいのが常識ですが
このコンピュータの場合は速すぎても遅すぎても使い物にならないのです。
というのはNMR装置から出る信号は測定試料に応じて磁場反応速度が決まっているので
磁場の強さを変化させながら信号出力を受信します。
例えば全体の信号位置を見たい時は磁場のスキャンを速くして短時間で測定しますが
精密に波形位置を得るにはゆっくりとスキャンを行います。
従ってコンピュータの演算もそれに合わせて5分、10分と時間をかけておこなわねば
ならないのです。

信号のサンプリング間隔は一定でなければならず、サンプリングのポジションの揺らぎ誤差は
測定分解能の誤差に直結するため精密なハードウェア回路が必要となります。
現代のコンピュータはマルチタスクが当たり前で複数のプログラムが並行して動作しますが
このコンピュータは上記の理由からシングルタスク動作が必須となります。

Accumulation(積算)の動作原理はシンプルですがどんなに技術が進歩しても役に立つ
基本のアルゴリズムなので超高分解能の高速測定をするなら 1ナノsec, 1ピコsecの
揺らぎ誤差も許されないことになるでしょう。

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